キングスマン:ゴールデン・サークル(Kingsman: The Golden Circle)
ポテトメーター:72点
あの『キングスマン』の続編、『キングスマン:ゴールデン・サークル』がついに公開されました!!!!!!!!!!!
本家Rotten Tomatoesでの評価がイマイチ(批評家支持52%。前作は74%)だったので、かなり期待値を下げて観に行きました。それこそ『悪霊のいけにえ』か『死霊の盆踊り』を観る心づもりで劇場に足を運びましたよ。
結果、前作ほどの衝撃はないものの、大人向けアクション娯楽大作としては相変わらず上々の出来でした。以下、前作『キングスマン』と併せてネタバレなしの感想です。
最高のスパイ、最高の悪役
彗星のごとく現れ、世間の注目をかっさらった前作『キングスマン』は2015年に公開されました。
監督は『キック・アス』で当時小学生の美少女クロエ・グレース・モレッツちゃんに天才殺し屋ヒット・ガールを演じさせたマシュー・ヴォーン。
『キック・アス』は11歳のヒット・ガールがランランラン~ランラランラン~♪のBGMに乗せて悪(成人男性50人くらい)をKILL(大量殺戮)する最高にキュートな映画です。
『キック・アス』といえばですが、「ゼロ年代以降のボンクラ映画」を対象としたTシャツ等のグッズを製作・販売するマクラビンワークスというアツいショップがあります。ここで殺人鬼ヒット・ガールをモチーフにしたミニトートバッグを買うことができます♪(私も職場で愛用中)
ちょっとしたお出かけにもおすすめ。
ところで『キック・アス』の監督のマシュー・ヴォーンですが、父親は有名な俳優でした。
彼の父親、ロバート・ヴォーンは、1960年代に日本でも大人気だったTVシリーズ『0011ナポレオン・ソロ』でスパイのナポレオン・ソロを演じていました。
ちなみに・・・
『0011ナポレオン・ソロ』は2015年に映画『コードネーム U.N.C.L.E.』としてリメイクされています。
こちらもめちゃくちゃスタイリッシュで茶目っ気たっぷりな快作。
マシュー・ヴォーン監督に話を戻しましょう。
人気俳優を父親に持つエリート血筋の監督。
ですが、後になって父方のDNA検査を行ったところ、なんと実の父親はスパイ俳優ではなく、ジョージ6世を名付け親に持つ正真正銘の英国貴族だったことが分かったそうです。
事実判明後も仕事上でのみ「ヴォーン」姓を使用しているそう。
そんな現代のハリー・ポッターとも言えるマシュー・ヴォーン監督が『キック・アス』の原作者と再びタッグを組んで作った、現時点で21世紀最高のスパイ映画が!!!!!!!!
そうです!!!!!!『キングスマン』です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
表向きはロンドンの高級紳士服店、裏では莫大な資金を元手に世界中で活動を展開する諜報機関「キングスマン」。そこにある日突然リクルートされた青年を主役に据え、007、ナポレオン・ソロを始めとする往年のスパイシリーズへの偏愛をたっぷり捧げつつ、キレッキレのアクションと音楽で誰もが楽しめる娯楽大作(※R15指定)へと昇華した傑作です。
英国紳士がテーマとあって、キャスト陣のイケメンっぷりも話題でした。
この映画で大ブレイクしたタロン・エガートン(28)
抱かれたい男1位 コリン・ファース(57)
『キック・アス』にも悪役で出演、渋い声が特徴のマーク・ストロング(54)
主役がイケメンなら悪役もイケメン超豪華です。
「人間の凶暴性を目覚めさせるSIMカード」という何ともクリエイティブな代物を世界中にばら撒くIT長者・ヴァレンタインを演じたのは、"世界で一番「マザーファッ〇ー」を連呼する俳優"としてお馴染みのサミュエル・L・ジャクソン氏。
ヴァレンタインは環境保護活動家という設定で、「人間は地球の資源を蝕むバイキン」と考えており、「地球環境を守るには増えすぎた人口を減らせ!」という主張のもと、人間同士で殺し合いをさせるために殺人SIMカードを庶民にばら撒きます。
一方、現在公開中の『ゴールデン・サークル』の悪役はポピーという女性実業家。演じたのはこれまた大御所のジュリアン・ムーア氏。
彼女は麻薬売買で莫大な富を得ながらも、合法的な商売ではないため人前に出ることができず、誰にも見つからないであろうカンボジアの奥地に帝国を築いています。
ポピーは自身が提供するマリファナ、コカイン、ヘロインなどのあらゆる違法ドラッグに殺人ウイルスを混入させ、解毒剤の配布と引き換えに米大統領に「全てのドラッグの合法化」と彼女が率いる組織「ゴールデン・サークル」の上場を求めます。
麻薬を合法化したら闇ルートが消え収入源がなくなるのでは・・・と普通は考えるでしょうが、彼女の目的は地位と名声を得て再び母国の土を踏むことなので、そんなことは問題ではないようです。
前作・今作に共通して言えるのは、『キングスマン』の悪役は世界規模の大量殺戮を計画するテロリストであること、そしてその動機や心情が一般人にも多少は共感しうるものであること、です。
今作に関しては死ぬのは違法薬物使用者だけですし、薬物中毒者とその予備軍を一掃できるという点では(道徳的には完全にアウトでも)社会的なメリットを考えると100%害悪ではないかもしれません。
まぁ全部フィクションですけど~( ^ω^ )
悪役に関してさらに共通している点。
それは彼/彼女が自らの手で直接人を殺すことを嫌い、身体の一部が凶器になっている改造人間を直属の部下にしているということです。
前作でヴァレンタインの部下を演じたのは両脚が凶器になっているソフィア・ブテラちゃん。
足元のおしゃれを楽しめないのは女子的に本当にかわいそう。
『ゴールデン・サークル』の手下はお名前存じあげませんがイケメン俳優。こっちは片腕がサイボーグ。
今までの2作はラスボス・乙武さん登場を盛り上げるための伏線にしか思えませんが、ぜひ次回作(3作目)も魅力的な悪役に期待しましょう。
エルトン・ジョンが世界を救う
キャラクターの他に 『キングスマン』の魅力といえば、キレッキレのアクションとエログロ満載のユーモア。
その点で現在公開中の『ゴールデン・サークル』においてすさまじい活躍を見せるのがカメオ出演しているイギリスの伝説的歌手、エルトン・ジョン。
ナイトの勲章を持つこの大御所歌手(御年70)が今回、MVP並みの活躍。
カメオ出演って普通はワンシーンだけの出演だと思ってたんですけどね。なんか後半エルトン・ジョンだらけでしたね。訳がわからない。
ちなみに彼が過去に薬物中毒者であったこと、ゲイを公言していることを頭に入れて観るとより一層映画を楽しめるかもしれません!
ということで全人類必見の傑作スパイ映画『キングスマン』と絶賛公開中の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』について書いてみました。
最後に、前作を未見で今回初めて映画館に足を運ぼうという方には前作を予習しておくことを強くおすすめします。