ラッテン・ポテト

映画を未見の方の指針となるような感想文を適宜アップしていきます。本家を100%リスペクトしています。

悪霊のいけにえ(The Christmas Season Massacre)

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ポテトメーター:70点

 

お久しぶりです。じーなです。

世の流れを汲み、最近は自宅で映画を観るときはもっぱらNetflixを使っています。

それと反比例してレンタル屋さんに足を運ぶ頻度が激減している訳ですが、冬休み初日の今日、久しぶりにTSUTAYAに行きました。そしてやらかしました。

 

テキサス・チェーンソー」で有名なホラー映画の傑作悪魔のいけにえを借りたかったんです。店頭で無事在庫を確認し、意気揚々と自宅に向かいました。

今年の年末年始も順調なスタートを切ったと思われました。そう、借りたDVDの中身が『悪霊のいけにえ』だと知るまでは。

 

ホラー映画を普段からよく観るわけでもなく、『悪魔のいけにえ』のあらすじすらほとんど頭に入れていませんでしたが、この映画が『悪魔のいけにえ』ではないことは25年のシネフィル人生で培った勘が本編開始3秒で教えてくれました。「なにかがおかしい」と。

 

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↑観たかったやつ

 

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↑観たやつ

※ちなみに本編はこのパッケージの50万分の1の怖さです。

悪霊も出てきません。基本的に詐称していくスタンスのようです。

 

 

そして己の過ちへの悲哀と後悔のフェーズを抜けた後、

私はこの『悪霊のいけにえ』と最後まで向き合う決意をしたのです。

(以下若干ネタバレあり)

 

 

 

斬新なホラー

 

こういうZ級映画に対して「斬新な」といった枕詞を使うのもどうかと思いますが、まぁクリエイティブ感の塊でした。

 

主役はこの人!!

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トミー(年齢不詳)です。

 

トミーは貧しい家庭に生まれ、ボロボロの汚い服ばかり着ていたため、学校でいじめを受けていました。

ある日クラスメイトに靴を片方奪われたトミーは、「片靴のトミー」とからかわれます。両親に新しい靴をねだることもできないため、サンタクロースに「どんなものでもいいから靴を片方ください」と願い続けます。

 

そして迎えたクリスマスの朝。

必死の願いもむなしく、クリスマスツリーの下に置かれた箱に入っていたのは、靴ではなく(当時海賊の真似ごとが好きだったトミーのために両親が用意した)黒い眼帯でした。

 

ブチギレるトミー。いじめっ子達への復讐を誓い、クリスマスが来る度に元クラスメイト達を次々と殺戮していきます。

 

 

物語の背景となる以上のストーリーは、元クラスメイトの一人であるブンブン(画像右)の口から語られます。

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車中でトミーについて語るだけのシーンが10分間続く(大量の脱落者が予想される第一関門)

 

ちなみにこの後ブンブンは睾丸をむしり取られて殺されます。

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 びろ~ん(これは別の女子クラスメイトの腸を引っ張り出しているシーン)

 

 

トミーによる大量殺戮が描かれる映画ではありますが、ホラー映画に重要なカメラワーク(ホームビデオ並み)と音楽(謎の効果音)のセンスが終わっているため、全く怖くないです。これはもう奇跡の映画と言っていいでしょう。

 

 

また『13日の金曜日』をはじめとしてホラー映画の鉄板となっているお色気シーン。

その流れはこの映画も継承していますが、スイカの被りものをした男性と目隠しをした女性がサーティーワンのアイスをすくうやつを使ってプレイする場面を1分ほど流すなど、独自の変態性を展開しています。

 

 

さらに後半、あるクラスメイトが頭にドライバーを突き刺されて殺されますが、その死体の特殊メイクの出来栄えがよほどよかったと思ったのか、死体の頭をカメラがズームアップして30秒間映し続けます。この辺りでは私はもうノリノリでした。

 

 

NGシーン

 

この映画、本編は58分間しかありません。(よかった。)

そのあとのスタッフロールの途中でなぜかNGシーン集が始まるのですが、それまでに「NGそのもの」みたいな映画を1時間近く見せられているので、「台詞飛んじゃった・・・アハハ(現場一同爆笑)」みたいな、普通の映画であればクスっと笑えるNGシーンを仏頂面で見続けるしかないという苦行が最後に待っているということを先にお伝えしておきます。

 

この映画の出演者たちが一応「演技」をしているという事実が一番怖い。

 

 

 

ということで、年末年始の暇つぶしに非常にお薦めな映画です。

有限の時間の中を生きている我々にとって1時間の価値とは?人生を有意義に過ごすには?といった命題について考えるきっかけにして頂ければと思います。

 

 ちなみに悪魔のいけにえNetflixで観ることができます。